レンズ交換式カメラの一眼レフカメラやミラーレスカメラは近年のデジタルカメラの主流になっています。
数年前まではレンズ交換式カメラ=一眼レフカメラでしたが、コンパクトで高性能なミラーレスカメラの人気がより高まっています。
2020年には、初めてミラーレスカメラの売り上げが一眼レフカメラの売り上げを超えました。
そこで今回は、2022年現在のミラーレスカメラのシェアランキングと1位の理由について近年の市場データを基に解説していきます。
●2021年の年間ミラーレスカメラシェアランキング
●1位の理由について、市場データを基に解説
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2021年の年間ミラーレスカメラのシェアランキング
2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018 | 2017年 | 2016年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SONY | 32% | 27.4% | 25.9% | 22.7% | 20.2% | 17.9% | 24.8% |
Canon | 28.2% | 23.8% | 30.9% | 31.9% | 21.3% | 18.5% | 13.6% |
OLYMPUS | 12.7% | 23.3% | 23.4% | 23.5% | 27.7% | 26.8% | 34.5% |
『BCN AWARD 2022(※1)』にて2021年の年間ミラーレスカメラのシェアランキングが発表されました。
SONYが2年連続1位を取り、2位はCanon、それに続きOLYMPUSという結果になりました。
昨年と順位変動はありませんが、SONYとCanonが約5%上昇してOLYMPUSが5%低下し、SONYとCANONの2強時代となりました。
一眼レフカメラはCanonとNikonの2強でしたが、ミラーレスカメラはSONYとCanonの2強になりつつあります。
今後もこの状況が続くのか、それともOLYMPUSが盛り返すのか、ミラーレスカメラの参入に遅れたNikonが追い上げるのか気になるところです。
そこで今回はSONYが2年連続1位になった理由について紹介していきます。
引用:https://www.bcnretail.com/research/detail/20220105_259352.html
SONYが2年連続シェア1位になった理由
SONYがミラーレスカメラシェア1位になった理由を個人的な見解で解説していきます。
① ラインアップの多さ
ラインアップ数 | |
---|---|
SONY | 34台 |
OLYMPUS | 28台 |
Canon | 17台 |
Nikon | 19台 |
まず初めに、ラインアップの多さが挙げられる。
一番多いのはSONYの34台、続いてOLYMPUSの28台、ミラーレスカメラの参入に遅れたCanonとNikonは10台以上の差があります。
SONYが一番多い理由は2010年から、ミラーレスカメラを発売し、毎年のように新作を発売していました。
やはり、ラインアップが多いのはカメラ売れる一つの基準ではないでしょうか。
OLYMPUSが2番目に多い理由はミラーレスカメラの歴史に繋がります。
ミラーレスカメラは一眼レフカメラから「ミラー(鏡)」を外したカメラのことを指し、一眼レフカメラから開発されました。
2008年に初めてミラーレスカメラを開発したのが「マイクロフォーサーズ」のパナソニックとOLYMPUSです。
先ほど挙げた、BCN AWARDでも2011年から2018年の間に6度のシェア1位を獲得しています。
ちなみに、SONYは2010年に初めてミラーレスカメラを発売しています。
CanonとNikonのラインアップ数が少ないのは、ミラーレスカメラの参入に遅れたのが大きな影響を与えています。
Canonは2012年に初めてミラーレスカメラを発売し、OLYMPUSやパナソニックに比べると約4年も遅れてしまいました。
この数年の差がラインアップの数や機能に影響していますが、CanonやNikonも本格的にミラーレスカメラの開発に本腰を入れており今後の動向が気になります。
② 2021年のミラーレスカメラの発売台数
ラインアップ数 | |
---|---|
SONY | 3台 |
Canon | 1台 |
Nikon | 2台 |
ラインアップ数同様に2021年に発売されたミラーレスカメラの発売台数もSONYが3社の中で1番多いです。
発売日 | |
---|---|
α1 | 2021年3月19日 |
ZV-E10 | 2021年9月17日 |
α7Ⅳ | 2021年12月17日 |
2021年に発売されたSONYのミラーレスカメラはSONYの勢いを感じるラインアップでした。
α1
α1はSONYのフラッグシップ機であり、5010万画素の圧倒的な解像度と最高峰のイメージセンサーを搭載した超高性能カメラ。
ZV-E10
ZV-E10はレンズ交換式のVlogカメラ。手軽で高性能なYouTubeやTikTokの撮影に向いている。2021年9月17日に発売されたのにも関わらず、2021に発売されたミラーレスカメラの中で5位となった。
α7Ⅳ
α7Ⅳは大人気機種のα7Ⅲの後続機種。「次代の新基準」を謳い、3300万画素の有効画素数とα1でも採用されている「BIONZ XR」と搭載したカメラ。
③ 大人気機種の存在
2021年、2022年に連続1位を獲得できたのには人気機種の存在があります。
α6400
α6400はエントリーモデルとして2016年に発売された「α6300」の後続機として、2019年に発売しました。
性能面は0.02秒の高速AFと「リアルタイムAF機能」「リアルタイムトラッキング」が搭載されたSONYのAPS-C機です。
驚くべきは販売台数です。
商品名 | |
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1位 | α6400 ダブルズームレンズキット ブラック SONY |
2位 | EOS Kiss M2 ダブルズームキット ホワイト Canon |
3位 | EOS Kiss M ダブルズームキット ホワイト Canon |
4位 | α6400 ダブルズームレンズキット シルバー SONY |
5位 | VLOGCAM ZV-E10 パワーズームレンズキット ブラック SONY |
6位 | EOS Kiss M2 ダブルズームキット ブラック Canon |
7位 | EOS Kiss M ダブルズームキット ブラック Canon |
8位 | X-A5 レンズキット シルバー FUJIFILM |
9位 | PEN E-PL10 EZ ダブルズームキット ホワイト OLYMPUS |
10位 | X-A5 レンズキット ブラウン FUJIFILM |
2021年、年間ミラーレスカメラの売り上げランキングではα6400のレンズキットが1位と4位を獲得し、発売して約3年経過しますが現在でもとてつもない人気です。
α7Ⅲ
α7Ⅲは2018年に発売されたSONYのフルサイズカメラ。
有効画素数2420万画素、AF機能で絶大的な人気の機種。
2021年上半期のミラーレスカメラの売り上げ台数では10位となっており、1位~9位はAPS-C機と安価に対して、約20万のα7Ⅲが発売されてから約4年経過した現在でもランクインしたのは驚きです。
まとめ
・『BCN AWARD 2022』にて2021年の年間ミラーレスカメラのシェアランキングが発表され、SONYが2年連続1位を取り、2位はCanon、それに続きOLYMPUSという結果になりました。
・SONYが1位になった理由は近年のラインアップ数の多さ、特に2021年に発売された「α1」「VLOGCAM ZV-E10」「α7Ⅳ」と2010年代に発売された「α6400」「α7Ⅲ」の絶大的な性能と人気が影響しているのではないでしょうか。