Sonyの35㎜フルサイズの中で1,2を争うほど人気があるのがα7Ⅲです。
α7Ⅲは2018年3月23日に発売され、現在でもミラーレスカメラの売り上げランキングの上位に来るほど人気のカメラです。
α7Ⅲが発売されてから約3年、遂に次世代カメラ『α7Ⅳ』が2021年12月17日に発売されました。
α7Ⅲの評価が高い分、『α7Ⅳ』の期待値はかなり上がっています。
次世代機となり、どこまでアップグレードされたのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、現行モデルのα7Ⅲと次世代機の『α7Ⅳ』の比較をしていこうと思います。
●α7Ⅲとα7Ⅳの比較
●比較まとめ・変更点・変わらなかった点
●フルサイズカメラを最初に購入するならどっち!?
●α7Ⅲからの乗り換えはどうなのか
α7Ⅳ・α7Ⅲの比較表
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
発売日 | 2021年12月17日 | 2018年3月23日 |
メーカー商品希望価格 | 約33万円 | 約25万円 |
最新価格 | 約30万円 | 約23万円 |
レンズマウント | Eマウント | ソニーEマウントレンズ |
撮像素子 | 35 mmフルサイズ (35.9 x 23.9 mm) | 35mmフルサイズ(35.8×23.9mm) |
外観・寸法 | ||
質量(本体のみ) | 約573g | 約565g |
質量(バッテリー+メモリカード) | 約658g | 約650g |
外形寸法 | 約131.3×96.4x79.8mm | 約126.9x95.6x62.7mm |
モニター可動方式 | バリアングル | チルト |
メニュータッチ機能 | ○ | × |
シャッター閉鎖機能 | ○ | × |
カメラ性能 | ||
画像処理エンジン | BIONS XR | BIONS X |
カメラ有効画素数 | 約3300万画素 | 約2420万画素 |
総画素数 | 約3410万画素 | 約2530万画素 |
シャッター速度範囲 | 静止画撮影時: 1/8000-30 秒 バルブ、動画撮影時: 1/8000-1/4秒 | 静止画撮影時:1/8000-30秒バルブ、動画撮影時:1/8000-1/4秒 |
検出方式 | ファストハイブリッドAF | ファストハイブリッドAF |
検出素子 | ExmorR CMOS センサー | ExmorR CMOS センサー |
測距点数 | 759点 | 693点 |
瞳AF | ○ 静止画、動画:人物・動物の左右の瞳選択可能 | ○ |
連写速度 | 最大約10コマ/秒 | 最大約10コマ/秒 |
ISO感度(推奨露光指数) | 静止画:ISO100-51200 動画:ISO100-51200 | 静止画:ISO100-51200 動画:ISO100-51200 |
総ドット数 | ファインダー:3,686,400 ドット 液晶モニター:1,036,800ドット | ファインダー:2,359,296ドット 液晶モニター:921,600ドット |
動画記録形式 | XAVC S XAVC S-I XAVC HS 4:2:2 10bit | XAVC S AVCHD 4:2:0 8bit |
4K撮影 | 60p UHD ~600Mbps | ~30p UHD ~100Mbps |
クロップ | 4K 30p なし 4K 60p S35 | 4K 24p なし 4K 30p ×1.60 |
手ブレ補正機能 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 |
補正効果 | 5.5段 | 5段 |
使用温度範囲 | 0 – 40°C | 未記載 |
その他 | ||
USB-C | USB 3.1 Gen2 | USB3.0 |
Wi-Fi | 5GHz対応 | 2.4GHz |
α7Ⅳとα7Ⅲの比較・変更点
発売日
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
発売日 | 2021年12月17日 | 2018年3月23日 |
2018年春にα7Ⅲに発売されて、約3年後の2021年12月17日にα7Ⅳが発売されました。
α7Ⅲは発売当初から現在まで人気の機種で、後続機種の発売に数多くのファンが期待をしていました。
そして、α7Ⅳが後続機種として発売となりました。
価格
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
SONY公式価格 | 約33万 | 約25万 |
通販最安値 | 約30万 | 約22万 |
SONYの販売希望価格はα7Ⅳが約33万、α7Ⅲが約25万です。
通販の最安値はα7Ⅳが約30万、α7Ⅲが約22万です。
α7Ⅲは発売から約3年経過しますが人気機種の影響もあり、あまり値引きはされていません。
外観・寸法
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
重量 | 約573g | 約565g |
外形寸法 | 約131.3×96.4x79.8mm | 約126.9x95.6x62.7mm |
モニター可動方式 | バリアングル | チルト |
モニタードット数 | 約103万 | 約92万 |
メニュータッチ操作 | ○ | × |
シャッター閉鎖機能 | ○ | × |
重量
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
重量 | 約573g | 約565g |
重量はα7Ⅳが8g重くなった程度で大きな変化はありません。
α7Ⅳは性能が向上したのに対して、重量が変わっていないのはかなりの企業努力を感じます。
その背景として、軽量かつ剛性の高いマグネシウム合金を採用しており軽量化を図っているため性能が向上しても重量を維持することができています。
また、軽量だけでなく耐久性も向上しています。
外形寸法
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
外形寸法 | 約131.3×96.4x79.8mm | 約126.9x95.6x62.7mm |
α7Ⅳの寸法は大きく変動ありませんが、15㎜程奥行が増加しています。
モニター
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
モニター可動方式 | バリアングル | チルト |
モニタードット数 | 約103万 | 約92万 |
メニュータッチ操作 | ○ | × |
モニターの可動方式はα7Ⅲはチルト機能でしたが、α7Ⅳはバリアングル機能へ変更しました。
動画撮影や写真撮影の様々な角度からの撮影を可能にするために変更されました。
α7Ⅳではモニターのドット数が92万から103万に増加し、画質と視認性が向上しました。
また、メニューのタッチ操作が可能となりました。
操作ダイアルの変更
操作ダイアルが変更となりました。
ダイアルが二段階方式となり、下段には静止画と動画を瞬時に変更できるようになりました。
シャッター閉鎖機能
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
シャッター閉鎖機能 | ○ | × |
α7Ⅳからの新機能に電源がOFFにするときにシャッターが閉じる機能が追加されました。
これにより、レンズを外す際にイメージセンサーにゴミやホコリが付着しにくくなります。
個人的にはかなり注目している機能の追加でした。
交換レンズ式のカメラを持っている方なら共感できるのではないでしょうか。
画像処理エンジン
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
画像処理エンジン | BIONZ XR | BIONZ X |
α7Ⅳでは最新の画像処理エンジンを採用しています。
上位モデルであるα1やα7sⅢに搭載された最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」採用しています。
従来のα7Ⅲが搭載している「BIONZ X」の最大約8倍の高速処理が可能となりました。
イメージセンサー・画素数
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
検出素子 | ExmorR CMOS センサー | ExmorR CMOS センサー |
カメラ有効画素数 | 約3300万画素 | 約2420万画素 |
カメラの有効画素数がα7Ⅳで約3300万画素となり、α7Ⅲの約2420万画素から大幅に向上しました。
フォーカス機能
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
測距点数 | 759点 | 693点 |
検出方式 | ファストハイブリッドAF | ファストハイブリッドAF |
瞳AF | ○ 静止画、動画:人物・動物の左右の瞳選択可能 | ○ |
オートフォーカスの検出範囲としてイメージセンサーの撮影領域の約94%に配置されており、α7Ⅲの693点から増加し、759点の測距点数が配置されています。
測距点数は最上位モデルであるα1と同等の選択範囲が可能です。
高速性と追随性に優れた位相差AFと高精度なコントラストAFを併用するファストハイブリッドAFシステムがさらに進化されました。
α7 IIIより多く配置された像面位相差測距点から読み出した信号をBIONZ XRで高速に処理が可能となりました。
「リアルタイムトラッキング」を搭載し、動く被写体を指定してシャッターボタンを半押しするだけでAIで自動追尾し、いつシャッターを切ってもフォーカスが合う機能が搭載されています。
瞳AF機能は新画像処理エンジンBIONZ XRにより、検出能力がさらに向上しています。
人物、動物、鳥の自動追尾はもちろん、左右の目を選択して追尾することが可能となりました。
また、αシリーズで初めて動画撮影時の鳥のリアルタイム瞳AF機能が対応となりました。
連写速度
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
連写速度 | 最大10コマ/秒 | 最大10コマ/秒 |
連写速度は最大10コマ/秒と連写速度に変更ありませんでした。
ISO感度
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
ISO感度 | 静止画:ISO100-51200 動画:ISO100-51200 | 静止画:ISO100-51200 動画:ISO100-51200 |
ISO感度はα7Ⅳとα7Ⅲで変更はありませんでした。
常用ISO感度は100-51200(静止画、動画共通。静止画拡張時50-204800、動画拡張時100-102400)。
すべての感度域で適切にノイズを低減させ、幅広いダイナミックレンジを実現しています。
手ブレ補正
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
手ブレ補正機能 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 |
補正効果 | 5.5段 | 5.0段 |
α7Ⅲでは補正効果が5.0段方式でしたが5.5段の補正効果を実現し、上位モデルに搭載されている高精度な手ブレ補正ユニットとジャイロセンサーを搭載されました。
動画性能
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
動画記録形式 | XAVC S XAVC S-I XAVC HS 4:2:2 10bit | XAVC S AVCHD 4:2:0 8bit |
4K撮影 | 60p UHD ~600Mbps | ~30p UHD ~100Mbps |
クロップ | 4K 30p なし 4K 60p S35 | 4K 24p なし 4K 30p ×1.60 |
瞳AF | ○ 静止画、動画:人物・動物の左右の瞳選択可能 | ○ |
手ブレ補正機能 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 |
補正効果 | 5.5段 | 5段 |
α7Ⅳで大きく変化したのは動画性能です。
ダイアル部分が静止画、動画の変更が直ぐできるようになった様に、写真・動画の両立機としてα7Ⅳは躍進しました。
4K動画は4K60pの動画記録が可能になり、動きの速い被写体でも、自然でなめらかな映像を記録できるようになりました。
さらに、この高解像4K記録に、α7 IVの優れたAF性能、階調・色再現性を組み合わせることでより高画質の動画を撮影することが可能となりました。
4K(QFHD:3840 × 2160)映像に必要な画素数の約3.3倍(7K相当)の豊富な情報量を凝縮して4K映像を出力するため、細部まで高画質な動画を撮影できます。
また、進化した手ブレ補正や新画像処理エンジンBIONZ XRが、手ブレ量を高精度に検出し光学的に補正することで、圧倒的に安定した動画撮影が可能になりました。
α7Ⅳで初めて、動画撮影時の動物や鳥のリアルタイム瞳AFに対応しました。
静止画撮影時と同様に、あらかじめ検出対象を動物もしくは鳥に設定しておくことで、動きのある動物や飛んでいる鳥、止まっている動物や鳥の瞳を高速・高精度に自動検出し、追随します。
比較まとめ・変更点・変わらなかった点
●メーカー商品希望価格が約25万円※から約33万円※と価格が上昇。
●画像処理エンジンBIONS XからBIONS XRへ進化。
●カメラ有効画素数が約2420万画素から約3300万画素へ向上。
●フォーカス測距点数が693点から759点へ向上。
●瞳AFが動画ではαシリーズで初めて動物・鳥の瞳AF機能搭載、静止画、動画:人物・動物の左右の瞳選択可能。
●4K撮影は30pから60pまで撮影可能。
● 4Kに必要な画素数の約3.3倍(7K相当)の豊富な情報量を凝縮して4K映像を出力可能。
●手振れ補正は5段から5.5段へ向上。
● モニター可動方式がチルトからバリアングル機能へ変更。
●メニュータッチ機能が追加。
●電源OFF時にシャッター閉鎖機能を追加。
※α7Ⅳが赤 α7Ⅲが青
●寸法、重量は殆ど変更なし。
● シャッター速度範囲は静止画撮影時: 1/8000-30 秒で変動なし。
● ISO感度(推奨露光指数)は静止画:ISO100-51200、動画:ISO100-51200と変動なし。
●連写速度は最大約10コマ/秒と変動なし。
最初に購入するならどっち!?
●α7Ⅳとα7Ⅲ最初に購入をするならどちらが良いか…
・約8万円の差と性能を比較して購入を検討すること。
・α7Ⅲはフルサイズカメラの入門機種、α7ⅣはNEWスタンダード機種の考え方で購入すること。
α7Ⅳの発売時の商品希望価格は約33万、α7Ⅲの商品希望価格は25万と約8万円の差があります。
α7Ⅲは発売から約3年経過しますが、そこまでの値下がりはなく、現在でも約8万円の差額です。
α7Ⅲはα7Ⅱの後続機種で大幅な機能向上とコストパフォーマンスが高く、発売当初から人気であり、α7Ⅳの期待値はかなり高いものでした。
SNSではα7Ⅳの期待値が高かったあまりに「高性能であるが、30万越えか…」、「期待値は越えなかった」との声もありました。
現状、ミラーレスカメラであれば他社メーカーに比べ性能、価格ともに群を抜いているSONYではありますが、今回のα7Ⅳは特に性能に力を入れた印象です。
そもそもα7Ⅲはフルサイズカメラの入門機として人気がでました。
SONYはα7Ⅳを『次世代の新基準へ』と掲げています。
上位機種の遺伝子とα7Ⅲまでの性能を融合させたのがα7Ⅳであり、あまり後続機種と思い比較するのは間違いかもしれません。
個人的には新画像処理エンジン・高画素数・動画性能・AF機能を含めてα7Ⅳを購入します。
ただ、どちらを選んでもカメラを好きなものであれば間違いない2機種だと思います。
α7Ⅲからの乗り換えはどうなのか
・個人的には乗り換えはしなくても良い
個人的には乗り換えはしなくても良いかと思います。
α7Ⅲはミラーレスカメラの入門機であり、その後続機種としてα7Ⅳがあります。
α7Ⅳで大幅にグレードアップしましたが、ハイグレード機種ではありません。
せっかく乗り換えるのであれば、もう少し上のグレードの機種に変える方が良いのではないかなと思います。
ただ、30万前後の機種を探しているのであればα7Ⅳはおすすめの機種で間違いありません。